オリジナルの指標を持つ
当社では、独自指標を作ることをよく言います。売上、粗利率、販管費率、WEBなら転換率、直帰率など様々な数値が並びますが、それぞれ場面によって使っていらっしゃると思います。しかしながらもう一歩先の独自指標を持って、スタッフ全員が一目見て良いか悪いか位は分かるようにした方が良いとお伝えしています。
例えば、通販の場合、出荷効率指標。同梱点数が増えれば増えるほどアイテムのピックアップ時間が増えて出荷時間は長くなります。そのため、単純に件数あたりの入出荷時間を見てもスタッフが効率的にがんばってくれているのかは分かりません。
今の状態の善し悪しを見るには、1つ1つの数値を追いかけ、いくつもの数値を見比べて判断する必要があります。見落としも出てくるかもしれませんね。
特に女性スタッフだと数字に強くない方が多いので、どの数字を見たら良いのか、どの位の数字なら良いのかが分からずただひたすらに作業を行うケースが多いように感じます。
そこで入荷効率と出荷効率という指標をある数値とある数値を掛け合わせて作ります。そうすると入荷効率と出荷効率を見るだけで今日はスムーズに業務を運べた、サボったメンバーはいないか等を瞬時に見分けることができる指標に変わっていきます。○○〜○○の数字の範囲内に収まっていれば優秀、△△以上の数値になっていれば非常に優秀なパフォーマンスを行ったという判断が経営トップから現場のスタッフまでできるようになるのです。
これは、今後伸びてくるであろうとある商材の買取、販売を行っている会社さんでの話です。買取を行っていますから手段はWEB、店頭などがあります。それらの買取効率を独自の指標として算出して自社の中で把握しておくことにより、効率的にオペレーションを回すことが可能です。
経路別買取効率×経路別平均単価×粗利率でどの経路に経営リソースを集中させると良いのかが分かりますね。この会社さんは、業界平均よりも高い広告費率なのでもう少し贅肉を落としてつけるべきところに筋肉をつければ更に業績は上がるでしょう。
お伝えしたいことは、どの会社も持っている指標とにらめっこしているだけでなく、そこから先の指標を持つことでよりスピーディーに自社の状況を把握し、合理的に物事を進めることが可能です。
業界特性や商慣習に合わせて独自の指標を作るともっと面白くなるのではと思います。意外な数値同士が相関性を持っていて、回り巡ってこの数値を改善させると全体的にうまく回り出すという数値があるかもしれません。